大願寺の南天 撮影日:2007年12月22日 撮影:管理人大願寺の南天 撮影日:2007年12月22日 撮影:管理人今年もいよいよ押し迫ってきた。災い多き年といわれる亥年、温暖化による大きな自然災害が心配されたが、諸々見えたのは、人によって引き起こされたものが多かったようである。
そんな年に選ばれた文字は「偽」。なんとも寂しい限りだが、世を騒がせた食品関係を始め、政治、経済、はたまた世界の情勢まで、人の持つ愚かな部分が浮彫りにされた年だったように思える。大願寺の南天 撮影日:2007年12月22日 撮影:管理人
2007年も後少しで終わりを告げるが、過ぎ行く年の反省の中、来たる新たな年への期待と願望は年の瀬の恒例。来年が、全ての人にとってより良き年となることを願いつつ、年末に何回か載せてきた、飯田市龍江地区にある大願寺(だいがんじ)の南天(なんてん)を「難を転ずる」の意で載せて今年の“盆地に吹く風”の締め括りとする。

雪の山麓 撮影日:2007年12が16日 撮影:管理人雪の山麓 撮影日:2007年12が16日 撮影:管理人季節の曖昧さがなせる技なのか、今一つ冬到来の実感が湧いてこない今季。実際、辺りの風景も晩秋の雰囲気を引きずりつつ、寒さのみが際立っているように感じる。
写真は僅かだが雪化粧をした山麓の木々たちである。撮影したのは16日。ようやく見えた冬らしい景観に、少しホッとした気分にさせられたのは事実だろうか。
冬といえば、今月の22日は冬至(とうじ)。北半球では太陽の南中高度が最も低くなり、そのために一年の中で一番昼が短く夜が長い日とされている。実際には数日ずれるらしいのだが。
この日に柚子湯(ゆずゆ)に入り、南瓜(かぼちゃ)を食べると風邪をひかないとされているが、その云われについて、まるで語路合せのようなのだが、雪の山麓 撮影日:2007年12が16日 撮影:管理人冬至(とうじ)を湯治(とうじ)にかけ、柚子(ゆず)から「融通(ゆうずう)が利く」、また、南方から渡来した野菜、南瓜(かぼちゃ)は「陽の気を助長する最高の呪物」など、諸々あるようだ。しかし、今は柚子湯(ゆずゆ)で身体を温め、南瓜(かぼちゃ)を食べて冬に不足がちなビタミン補給をするという方が一般的で受け入れやすいだろう。
ともあれ、すでに冬至を過ぎ、冬もこれからが本番となる。例年とあまり変わらぬ気候を祈りつつも、温暖な冬を願う軟弱者の自分がいる。年齢からか、年々寒さに弱くなっていく己を自覚しつつ、柚子湯(ゆずゆ)と南瓜(かぼちゃ)で乗り切るしかあるまいと励ましてみる。

川原の葦原 撮影日:2007年12月14日 撮影:管理人天竜川の川原から 撮影日:2007年12月14日 撮影:管理人12月も半ばを過ぎて、いよいよ今年2007年も残り半月を切った。この秋、色付きの遅かった木々も、粗方の葉を落とし、辺りは寒々とした冬の様相に変わり始めたようである。
先日、不覚にも痛めてしまった我が腰は、ゆっくりだが回復傾向。日常生活における不便さはかなり軽減されてきた。しかし、未だ続くその痛みに、撮影は元よりパソコン作業まで制限されることが多く、少々いらだち気味の毎日が続いている。そんな現状のストレス解消のためという訳ではないのだが、通院のついでにちょっと寄り道をしてみた。写真は“天竜川”の川原。一見、薄(すすき)と見紛うが、生い茂るのは葦(よし)である。葦の穂 撮影日:2007年12月14日 撮影:管理人
この川、長野県の南部を縦に通りぬけて、愛知県をかすめながら静岡県を経て海まで到達する。その拠点となる諏訪湖には31もの河川が流れ込み、受け持つ流域面積は湖面積のおよそ40倍と聞く。そのため、大雨の際のこの川の流量は尋常ではなく、昔は度々氾濫を起こしていた。
それゆえ、かつては“暴れ天竜”とまで呼ばれていたが、36災害以降見直されたという流出口の“釜口水門”の力か、施された流域の護岸対策の賜物か、しばらくはその鳴りを潜めていた。だが、昨年の7月、温暖化影響で降り続いた、記録的な豪雨により氾濫を起こし、再びその片鱗を見せ始めている。当然だが、今、私の立つこの撮影場所は完全に水没。一面の葦原(あしわら)も一部を除きほとんど流されてしまった。しかし、自然の中に生きる彼らは結構逞しい。徐々にだが、またその数を増やし始めているようである。
高い堤防の外側には、かつてその流れが作ったと思われる平坦な地形が、人の作った建造物を従えて広がっている。進む気候変動の中、再び大きな被害が出ないことを祈るが、水量の少ないこの時期、その流れは穏やかに私を迎えてくれた。
そんな川原もすでに冬の様相、日にあたる葦(よし)の穂が白く輝いていた。

◇葦(よし、または、あし):
和名の語源は青芝(あおし)から稈(はし)に変化、「あし」と呼ばれるようになったという説が有力らしいが、「あしは悪しに通ずる」ということで、「善し」の意味で「よし」と呼ばれるようになった。
また、漢字では、葭(幼生のもの)、蘆(成長したもの)、葦(穂がでたもの)と、成長の段階によって区別して表現されるようである。
暖帯から亜寒帯まで、世界中の湿地帯に広く分布する、イネ科アシ属の多年性草本。

湯たんぽぉ♪ 撮影は去年です。(^^;年末の最中に訳の解からぬタイトルだが、この時期、わが家では湯たんぽが登場する。冬場のパソコン作業、暖房をつけても冷たくなる我が足を温めるため、2年ほど前に購入したものである。就寝時にはベッドにも使え、かなり重宝している。今年は先月からすでに使用していた。
5日水曜日のこと。いつものように湯たんぽを足元に設置するため体をかがめてゴソゴソ。その時腰にピリッと痛みが走った。その時はさほど重症とは思わず、シップを貼り己の自然治癒力に頼った訳だが、日を追うごとに徐々に悪化。今は椅子に座っているのも辛くなっている。私自身、腰痛とは結構長い付き合いになるが、軽度のもの含めれば今年はこれで3回目。
ネットの時代、現代病ともいえる腰痛に関しては、プロらしきクリニックなどが原因・対処法などを含めて数多く掲載しているのを見かける。中に、FLASHを使い腰痛セルフチェックシートなるものを載せているサイトもあり、早速自分の症状を入れ自己診断してみた。「腰椎捻挫の可能性がある」との答えである。いわゆる“ぎっくり腰”の多くがこのタイプの腰痛らしく、対処法として、保冷剤やアイスパックなど冷たいもので直に冷せとある。温めてはいけないとも書かれていた。
ついでなので、その「腰椎捻挫」を元に再び検索をかけてみたのだが、全く逆のことが書かれているサイトに遭遇した。そのサイトいわく、「腰が捻挫するなどあり得ない」らしい。冷さずに温めるべきとある。また、“安静第一”よりは、なるべく早く“普通の生活に戻る”べきとも書かれていた。
日頃ネット上の情報で物事を調べることが多くなってきた昨今、特に病気や怪我などの対処法は、その信頼性が一番の問題となる。実際、その情報通りの対処をするつもりはないが、医師によって見解や治療法が異なるのは致し方ないとしても、全く正反対の内容にはさすがに驚いた。
ところで、己の自然治癒力に頼った私は、結局痛みに耐えかね今日から以前通っていた整形外科に通院することとなった。
現在、パソコン作業がかなり辛い状況。ゆえに、サイト並びに、このブログ等の更新の頻度が著しく落ちる可能性もあり、その辺をご容赦願いたし。

犬の陰嚢(いぬのふぐり)と虻 撮影日:2007年12月2日 撮影:管理人犬の陰嚢(いぬのふぐり)の花 撮影日:2007年12月2日 撮影:管理人12月。師走になってすでに4日が過ぎた。昨日の飯田地方、時折日が差すものの最高気温が8℃前後と、日中でも暖房なしではさすがに辛い。予報では今日はさらに気温が下がるらしく、本格的な冬の到来を強く感じるようになってきた。
2日の日曜日のこと。朝から快晴。風もなく、穏やかな暖かい一日となった。カメラ片手に山麓公園近くを散策中、大犬の陰嚢(おおいぬのふぐり)が咲いているのを見つけた。春にはお馴染みの野草である。花期は2月頃から5月頃までと認識しているが、ここ数年、秋口まで咲いているのを見かけるようになった。しかし、この12月の初旬の花には、さすがに驚いたというのが正直な気持ちである。
一緒に写っている昆虫は、細平虻(ほそひらたあぶ)。昨年、毒溜み(どくだみ)の花と共に載せた豆平虻(まめひらたあぶ)同様、ハエ目短角亜目ハナアブ科ヒラタアブ亜科に属する小さな虻である。この虻、気温の寒暖でその個体の色が違うらしく、尻の模様と色から多分低温型と思われる。それにしても、犬の陰嚢(いぬのふぐり)の花とハナアブが写る画像は、まるで春の様である。
このブログを始めてから、晩秋に咲く仏の座(ほとけのざ)初冬の姫女苑(ひめじょおん)、真冬の1月に顔を出す土筆(つくし)など、野草たちが見せ始めた変化を何回か載せてきた。犬の陰嚢(いぬのふぐり)と虻 撮影日:2007年12月2日 撮影:管理人温暖化により、不変と思われたこの国の季節が変わり始めていることを強く感じるのは確かだが、変わる気候条件の中での、彼らの新たな試みのようなものを感じる時がある。海から陸に上がるため気の遠くなる時間をかけて挑戦を繰り返し進化していった、我々の遠い祖先を髣髴(ほうふつ)させるのだろうか。
遅れ馳せに発効となった京都議定書。その実効性が疑問視される中、議長国である我が国に課せられた温室効果ガス削減6%は、残念ながら夢のまた夢となっているのが現状のようだ。生きる形態を変える野草ではないが、生物としての変化・進化を待てない人類には、社会全体をはじめ今の経済システムなど、我々個々人の暮し方も含めて、根底から大きく変えていく必要を感じている。もっと自然環境の変化に敏感に、それに合わせられる柔軟さが必要なのかもしれない。
価格を気にしながらも、寒さに耐えるため暖房として化石燃料を使う自分の矛盾を抱きつつ、ふとそんなことを思う12月初旬。寒さはこれからが本番となる。