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白膠木(ぬるで) 撮影日:2007年10月7日 撮影:管理人白膠木(ぬるで) 撮影日:2007年10月7日 撮影:管理人朝夕の寒さが気になり始めたここ数日だが、それでも例年よりまだ気温は高目ということである。しかし、夏の暑さとの温度差のせいなのか、夜ともなると暖房が欲しくなってくる。
吹く風は哀愁にも似た物悲しさを漂いさせ始め、そろそろ本格的な秋の様相が色濃くなってきているこの頃である。
白膠木(ぬるで) 撮影日:2007年10月7日 撮影:管理人写真は白膠木(ぬるで)。その実である。葡萄の房のように垂れ下がり、その実一つ一つ、まるで砂糖でコーティングでもしたように白いものが覆っている。リンゴ酸カルシウムの結晶ということだ。口に含むと塩っぱいらしい。
ただ、漆(うるし)ほどではないが、希(まれ)に気触れる(かぶれる)人がいるようだ。実際に口に入れるのは、それなりの注意が必要となる。野鳥たちはこれを好んで食べるということだが、多分彼らのミネラル補給源となっているのだろう。白膠木(ぬるで)の花 撮影日:2007年8月19日 撮影:管理人
この白膠木(ぬるで)、毎年いち早く秋の彩りを見せてくれるが、今年、まだ青いその葉が色付くにはもう少し時間が要るようである。なお、4枚目は8月中旬撮影の花。
経済を含み、不穏と不確かさが際立つ社会となりつつある昨今、せめて四季のある穏やかな自然に包まれていたいものだが、目立ち始めた気候の異変に、こちらもやや不安な気持ちでその移り変わりを見守ることになりそうである。

力芝(ちからしば) 撮影日:2007年9月16日 撮影:管理人力芝(ちからしば) 撮影日:2007年9月16日 撮影:管理人先日までの、初冬を思わせるような寒さは遠のき、日中は25℃前後と、日差しの下ではかなり暑さを感じるこの頃である。
写真は“力芝(ちからしば)”。夏の終わりの頃から、至るところで見られる。根の張りが強く、力を入れてもなかなか抜けないのが名前の由来と聞くが、荒れた大地に群生する様は、野草の持つ逞しさを強く感じさせる。ブラシのようなその花穂はイネ科特有の形を持ち、近くで見ればなかなか面白い。植物名、力芝(ちからしば)。道端に生えるため、道芝(みちしば)とも呼ばれる。イネ科チカラシバ属の多年草である。力芝(ちからしば)花のアップ 撮影日:2007年9月16日 撮影:管理人
野草たちの振る舞いにかなり異変が見られる昨今、この時期の、例年との気温の違いが気になるところだが、ネットに公開されている気象庁のデータでは、ここ飯田地方の10月の平均最高気温(1971~2000年)は20.2℃、日毎の気温の寒暖の差も今ほどないようである。9月平均が25.9℃ということから、単純に見れば、多少季節はずれ込んだということになるのだろうか。
季節のずれと二極化、極端な降雨の差、強大化する台風など、温暖化による気象・気候の変化が著しいと感じる昨今、今後を踏まえた温暖化防止対策は当然のこととして、荒地に生える力芝(ちからしば)ではないが、社会の形体・形状を含めて、我々“人”の世界にも、野草の持つような逞しさと柔軟性が必要になってくるのかもしれない。
そんな思いを巡らす10月の初旬、今年は一体どんな季節が廻るのか、秋もいよいよ本番を迎え、やがてその先に控える冬の存在を強く感じるようになる。

虎杖(いたどり)・実 撮影日:2007年9月22日 撮影:管理人虎杖(いたどり)・実 撮影日:2007年9月22日 撮影:管理人秋雨前線の影響で、土・日と雨模様となった。日中の気温は20℃をはるかに下回り、まるで秋の終わりの頃のように寒い。
いくらなんでもこのまま冬に向かうとは思えないが、この急激な気温の変化は、さすがに身に応える。
写真は9月の第4土曜日に撮影した虎杖(いたどり)の実。春先の筍(たけのこ)状の若芽が食用とされるのはよく知られるところだが、成長した後の実は、花と共にあまり馴染みがない。私自身その正体を知ったのは最近のことである。虎杖(いたどり)・花 撮影日:2007年8月26日 撮影:管理人3枚目は8月下旬に撮影の花。通常6月頃から9月頃まで白い小さな花を無数に付ける。
8月の異様な暑さと、秋本番を前にこの冷え込み、温暖化による気候の異変が際立ってきたのは確かなようである。
春に芽吹き、やがて花が咲き実を結ぶ。秋風の中に冬の気配を感じ始める頃、野草たちは枯れ、木々は葉を落として、来春に芽吹くための準備に入る。そんな、四季があるがゆえの営みも変わらざるを得ないのだろうか。
まるで、秋を飛び越え冬に入ったかのような気温の低下を感じつつ、暦は今日から衣替えとなる。

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