力芝(ちからしば) 撮影日:2007年9月16日 撮影:管理人力芝(ちからしば) 撮影日:2007年9月16日 撮影:管理人先日までの、初冬を思わせるような寒さは遠のき、日中は25℃前後と、日差しの下ではかなり暑さを感じるこの頃である。
写真は“力芝(ちからしば)”。夏の終わりの頃から、至るところで見られる。根の張りが強く、力を入れてもなかなか抜けないのが名前の由来と聞くが、荒れた大地に群生する様は、野草の持つ逞しさを強く感じさせる。ブラシのようなその花穂はイネ科特有の形を持ち、近くで見ればなかなか面白い。植物名、力芝(ちからしば)。道端に生えるため、道芝(みちしば)とも呼ばれる。イネ科チカラシバ属の多年草である。力芝(ちからしば)花のアップ 撮影日:2007年9月16日 撮影:管理人
野草たちの振る舞いにかなり異変が見られる昨今、この時期の、例年との気温の違いが気になるところだが、ネットに公開されている気象庁のデータでは、ここ飯田地方の10月の平均最高気温(1971~2000年)は20.2℃、日毎の気温の寒暖の差も今ほどないようである。9月平均が25.9℃ということから、単純に見れば、多少季節はずれ込んだということになるのだろうか。
季節のずれと二極化、極端な降雨の差、強大化する台風など、温暖化による気象・気候の変化が著しいと感じる昨今、今後を踏まえた温暖化防止対策は当然のこととして、荒地に生える力芝(ちからしば)ではないが、社会の形体・形状を含めて、我々“人”の世界にも、野草の持つような逞しさと柔軟性が必要になってくるのかもしれない。
そんな思いを巡らす10月の初旬、今年は一体どんな季節が廻るのか、秋もいよいよ本番を迎え、やがてその先に控える冬の存在を強く感じるようになる。