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蒲公英(たんぽぽ) 撮影日:2007年1月28日 撮影:管理人蒲公英(たんぽぽ) 撮影日:2007年1月28日 撮影:管理人週中に少し寒さが戻るようだが、相変わらず季節がわからなくなるような気候が続いている。
これまで、暖冬といわれる冬は何度もあったが、今季は不気味さを伴っているように感じる。終わるとは思えない気候の変動が、加速するように大きくなっていることが大きな要因なのだろうか。
掲載の写真はお馴染みの蒲公英(たんぽぽ)。今まで何度か載せた“棚田”の土手で見つけたもの。ここは、春には毎年群生が見られる場所である。今の時期、さすがに群生してはいないが、前回の土筆(つくし)や種浸け花(たねつけばな)と同様に、その咲く時期はかなり早い。
たまに、“セイヨウタンポポ”と呼ばれる外来種が、秋や冬に咲いているのを見かけることがあるが、ここで見られるものは外来種に圧されその数を減らしたといわれる在来種、“ニホンタンポポ”である。
この国の気候・風土の中で育ってきた在来植物。原産地との異なる気候をも乗り越え、その土地に根付いた帰化植物。その鬩ぎ合い(せめぎあい)は遥か昔から続けられてきた。だが、今後さらに気候の変化が進めば、その勝敗は明らかのように思える。気候の大きな変貌に、その存亡が気になるところだ。
波乱が起きるといわれる亥年。数々の不安を拭えないまま、その年の1月も今日で終わる。

種浸け花(たねつけばな) 撮影日:2007年1月21日 撮影:管理人土筆(つくし) 撮影日:2007年1月21日 撮影:管理人1月とは思えない暖かな日が続いている。これから2月・3月と、一体どんな変化が起きるのか、やはり不安を感じるというのが正直な気持ちだろう。
そんな矢先、山の麓で土筆(つくし)らしきものを見つけた。本来ならば春の訪れを感じて心和むところなのだが、今は1月、やはり違和感は拭えない。その近くには、まだかなり小さいが種浸け花(たねつけばな)らしき物も咲いていた。
多分、暖冬によるこの暖かな気候が、その芽吹きを早めさせたのだろうとは思うのだが、そこから下まで続く凍りついたサイクリングロードとの差異がなんとも奇妙に思える。雪の残るサイクリングロード 撮影日:2007年1月21日 撮影:管理人だが、立春が近いことを思えば、昨年の、晩秋に群生する仏の座(ほとけのざ)や、初冬に咲き誇る姫女苑(ひめじょおん)などに比べれば、まだまだ正常な光景なのだろうか。
いずれにせよ、温暖化による気候変動により、植物や動物の生態に大きな変化が現われているのは確かなようである。
今後、こうしたことは普通に見られる光景となる可能性も考えられるが、それに慣れてしまい、その変化さえも感じられなくなる事だけは避けたいものである。止められるか止められぬかは別として、その要因を作ってきてしまった生物として、見えている変化の持つ重要性を、真正面から見つめる必要はあるだろう。

霜柱(しもばしら) 撮影日:2007年1月20日 撮影:管理人霜柱(しもばしら) 撮影日:2007年1月20日 撮影:管理人今日は大寒。寒さが最も厳しくなる頃とされ、1月の20日頃、または、その日から立春までをいう。柔道・剣道など武道の“寒稽古”は、この時期に行なうようだが、寒さに耐え辛い稽古をやり遂げることで、精神的な鍛錬を狙ったのだろう。
掲載の写真は霜柱(しもばしら)。寒さで地面の水分が凍り、下から表面を押し上げるように細い氷の柱が顔を出すものである。霜柱(しもばしら) 撮影日:2006年12月23日 撮影:管理人
誰もが知り得るさして珍しいものではないが、暖冬の今季、その冬らしさを求めて入った、山麓公園内の“マレットゴルフ場”で見つけたもの。なお、3枚目は昨年12月の撮影となる。
冬の寒さは、木々や草花を眠らせ春の芽吹きを促す。その寒さが緩む頃、動物も植物も春の訪れを感じ外に顔を出すようになる。今まで長い間当然のように繰り返されてきたことだが、それが崩れようとしている今日(こんにち)、こんな在り来たりのものを見つけるだけで、ホッとする自分がいる。

大犬の陰嚢(おおいぬのふぐり) 撮影日:2007年1月13日 撮影:管理人雪を残す山麓公園 撮影日:2007年1月14日 撮影:管理人先日の大雪から約一週間。日陰などの溶けきらない雪は、寒々とした景観をいまだ残しているが、路肩などに多少の雪を残す道路は、ノーマルタイヤでの通行が可能な状態となっている。
だが、山の近くはさすがに寒いのだろう、山麓公園内にはまだ多くの雪が残り、地面を覆っている。それでも日当たりの良い場所ではその雪も溶け、顔を出した野草たちの葉は活き活きと見えていた。
そんな山の麓に“大犬の陰嚢(おおいぬのふぐり)”が咲いているのを見つけた。かなり気が早い奴と思ったが、場所は違えど年末にも見かけた覚えがある。大犬の陰嚢(おおいぬのふぐり) 撮影日:2007年1月13日 撮影:管理人昨年の11月に載せた“仏の座(ほとけのざ)”、12月の“姫女苑(ひめじょおん)”と、二極化する季節の中で、その咲く時期を見誤っているのだろうか、正直かなり気になる現象である。
それでも野草の花は健気に必死で咲いている。その姿は、今まで環境を壊し続け、いまだそれを止められぬ我々に向けられた抗議のようにも思える。しかし、経済失速の怪訝からか、きちんとした対策が取られぬままに、温暖化による環境の変化は益々加速して行くのが現状のようだ。
小さな動物・植物の異変、台風・ハリケーンの強大化、竜巻・突風など季節外れの嵐、豪雨と干ばつ、寒波と熱波など、どれ一つ取っても予断を許さぬ状況が迫っているのは明らかに思える。
この国にしろ他の国にしろ、次を生きる人々のため、この地球上の何を守り何を残す必要があるのか、それはその国の威信や、欠陥の見え始めた今の経済などではない筈である。
その、国の迷走を避ける意味でも、せめて我々一人一人、経済を含めた目の前の状況に惑わされることなく、何が真なのかを見極められる目を持ちたいものである。

雪の山麓・川沿い 撮影日:2007年1月7日 撮影:管理人雪の山麓・川沿い 撮影日:2007年1月7日 撮影:管理人6日に雨混じりの雪を降らせた低気圧は、北側を進むもう一つの低気圧と合体。台風並みに発達しながら、冬の嵐となり東北や北海道方面に風による大きな被害を齎(もたら)したようだ。
長野県の南に位置する飯田地方、夜半から朝方まで吹いた強い風は直(じき)におさまったが、その嵐はこの冬初めての大雪を残していった。
前回、「冬には雪が良く似合う」などと言ってはみたが、その急激な積雪に、正直かなり戸惑ったのは確かである。雪の山麓公園 撮影日:2007年1月7日 撮影:管理人いまだノーマルタイヤの私は、今年初めてのタイヤチェーン装着とあいなった。当然、その車を出すための除雪に奮闘したのは言うまでもない。
写真は雪の降り続く山の麓と山麓公園内。全体の積雪としては25~30cmくらいだろうか、ゴム長を履いていたが、それでも歩行はかなり困難な状態である。ただ、人が来ないこともあるのか、木の枝を飛び交う小鳥たちはやたら機嫌良さそうに見えた。どうやら自然の猛威に右往左往するのは、我々“人”だけのようである。
あるがままに自然と向き合い、自然の持つゆったりとした時間の流れのその変化に対し、もっと柔軟に暮せるのなら、こうした大雪も嵐もさほど“苦”にはならないのかもしれない。そんなことを思いながら、横滑りをする車を操り帰路についた。

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