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野生の日本猿 撮影日:2006年10月28日 撮影:管理人野生の日本猿 撮影日:2006年10月28日 撮影:管理人この時期、その気温によって一気に山の色は変わってくる。このところ感じている気温の低下に木々の色付きも加速しているように感じるが、冬を前に我々を魅了するその装いまではまだまだといったところだろうか。昨年に比べやや遅い感があるが、後2週間もすれば山の麓辺りもオレンジと茶褐色の秋の色に染まるはずである。
写真は土曜日の日、山麓公園のやや上辺りで出会った日本猿の群れである。全部で十数頭近くは居ただろうか、この辺りで目にするのは久しぶりのような気がする。野生の日本猿 撮影日:2006年10月28日 撮影:管理人ただ、以前より人のいる場所との距離が縮まってきていることが少々気になるところだ。今年になり、この地域でも熊の出現騒動が増えたと聞く。昨年に比べその数は2倍に近いと言うが、それだけ山の環境が変わってきているのだろうか。
遠目で私を見つけた彼らはこちらを警戒しながら森の奥へと姿を消していった。その後姿を目で追いながら、以前この辺りで猿を見かけた時、「この風景、人より猿の方が似合うよなぁ」と言った知人の言葉を思い出していた。

麓から見た風越山(頂上付近のアップ) 撮影日:2006年:10月25日 撮影:管理人麓から見た風越山 撮影日:2006年:10月25日 撮影:管理人2日間の雨の後ようやく秋の晴れ間が顔を覗かせた。雨上がりのせいか、山の頂上付近に木々の色付きがはっきり確認できる。どうやら山の上の方は紅葉が始まったようである。
麓にある公園辺りはまだまだといったところだが、それでも木々の先端部分は日の光に照らされてオレンジ色に輝き始めていた。
そんな山の麓から、この秋も“見事な紅葉”を期待して、山の頂上と、麓の公園の色付き始めたモミジの画像を載せる。
麓の公園、色付き始めたモミジ 撮影日:2006年10月25日 撮影:管理人麓の公園、色付き始めたモミジ 撮影日:2006年10月25日 撮影:管理人
妙琴原(みょうきんばら)と呼ばれるこの公園付近、昨年辺りから訪れる人がかなり増えてきている。休日ともなると路上駐車で溢れかえった車が道をふさぎ、通常の車が通れないこともしばしばである。
まだまだかなりの自然を残すこの地域、多くの人に見て欲しいと思うのは正直な気持ちだが、人間社会の持つ“人のためのご都合主義”だけは持ちこんで欲しくはないものだ。
晩秋に向けて色付き始める木々を見ながら、ふとそんなことを思うが、市など、行政の動きから、自然と地域発展との両輪をどう転がしていくのか、そんな課題が見え隠れする。

藪蔓小豆(やぶつるあずき)の実 撮影日:2006年10月23日 撮影:管理人藪蔓小豆(やぶつるあずき)の実 撮影日:2006年10月14日 撮影:管理人今年の9月に載せた藪蔓小豆(やぶつるあずき)。花の後には、その形(なり)こそ小さいが、小豆(あずき)の名の通り莢(さや)状の実が付く。面白そうなので一本引き抜いて持ち帰ってみた。
乾燥させるため、一週間ほどそのまま放置しておいたのだが、乾いた莢(さや)から飛び出した“豆”は、色は黒く通常の小豆(あずき)の3分の一程度。その形はまさに小豆(あずき)といったところである。さすがに食べてみてはいないが、小豆(あずき)の原種というこの“豆”、一体どんな味がするものなのか少々気になるのは正直な気持ちだろうか。
藪蔓小豆(やぶつるあずき)の実、アップ 撮影日:2006年10月23日 撮影:管理人現在、生えていた辺りは他の雑草と共に刈り取られ跡形もないが、一年草であるこの野草、その弾けた実が落ちたであろう場所から、来年もまた同じように芽を出すのだろうかと、ちょっとばかり興味を惹く。いっそのこと、今手元にあるこの実を、裏庭にでも蒔いてみようかなどと、詰まらぬことを思ってみる秋の夜長である。

晒菜升麻(さらしなしょうま) 撮影日:2006年10月15日 撮影:管理人晒菜升麻(さらしなしょうま) 撮影日:2006年10月15日 撮影:管理人晒菜升麻(さらしなしょうま) 撮影日:2006年10月15日 撮影:管理人早いもので、10月もすでに後半に入った。目にする山々はまだ秋色とは言えないが、それでも迫り来る冬を前に、少しずつ葉の色を変化させ始めている。
掲載の画像は晒菜升麻(さらしなしょうま)である。昨年初めてこの山麓公園で見つけたが、今年もまたその花を見ることが出来た。
名の由来は、食用にするため若葉を1~2日の間、小川の清流などでよく晒してアク抜きをしたことから付いたと聞くが、その根茎(こんけい)を乾燥させたものを升麻(しょうま)と言い、生薬としても用いられる。解毒・解熱・発汗作用や、喉の炎症・汗疹(あせも)にも効果があるようだ。日本原産の金鳳花(きんぽうげ)科サラシナショウマ属の多年草。
この晒菜升麻(さらしなしょうま)の花が終わる頃、この山の麓も秋から冬へとその景色を徐々に変えてゆくことになる。
紅葉を前になんとなく早い冬を予感しながら、急な斜面に生えるその晒菜升麻(さらしなしょうま)にカメラを向ける。

秋茜(あきあかね) 撮影日:2006年10月9日 撮影:管理人秋茜(あきあかね) 撮影日:2006年10月9日 撮影:管理人10月に入り、雨の日などはかなり寒さを感じるようになってきた。昨年より早いその気温の低下に、そこまで来ている冬を感じさせる。日頃目にする山々はまだ紅葉には至っていないが、そろそろ秋の色に変わりつつあるようだ。周りに点在する田も刈り取りを終えたところが目立ち始め、そろそろ収穫の秋も後半にさしかかることになる。
写真は秋茜(あきあかね)。秋の代表的な昆虫“赤とんぼ”である。そもそも、その“赤とんぼ”なる呼び名、トンボ科アカネ属の総称した呼び名らしいが、秋に群れを成して飛び交うためか、この秋茜(あきあかね)のみを指すことが一般的のようである。
秋茜(あきあかね) 撮影日:2006年9月23日 撮影:管理人その生態についてちょっと調べてみた。6月の終わり頃に田んぼなどで羽化をし、その後、捕食のために4~5日程度平地に留まるが、やがて夏の暑さを避けるように標高の高い高原や山岳地帯へ移動して一夏を過すようだ。その頃の体の色は橙色に近く赤ではないらしいが、秋になると繁殖のため群れを成して再び平地に下りてくる。そのころになるとあの赤色に変化していくようである。そしてご存知“赤とんぼ”の秋空の大乱舞となる。
その収穫時の空に大乱舞する姿に神霊的なものを感じたのか、それとも害虫を餌とするトンボを殺生することを戒めたものか、各地に、捕まえたり殺したりすると悪いことが起きるという、言い伝えのようなものがあったようだ。
以前、農薬散布のため、赤とんぼなど、田んぼ近くで見られる昆虫たちが激減したことがある。最近になり、少しずつその数が多くなってきたように思えるが、昨今感じる気候の変化に彼らの生態が変わらずいて欲しいと感じる。そして、その言い伝えが現実のものにならぬよう祈りたいものである。

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