白膠木(ぬるで)の紅葉 撮影日:2006年10月28日 撮影:管理人白膠木(ぬるで)の紅葉 撮影日:2006年10月28日 撮影:管理人10月も終わり、早いもので今年も余すところ2ヶ月となった。朝晩と日中との気温の差が大きくなってきたこの頃、そろそろ本格的な木々の色付きを期待したいところだが、山の頂上付近に始まった紅葉はなかなか下までは下りてこないようである。それでも一足早く色付いた白膠木(ぬるで)は、その鮮やかさで色付きの季節の到来を告げていた。
後1~2週間もすると山の麓を皮切に、街中の街路樹までも秋の彩りに染まることになる。
この白膠木(ぬるで)、若芽にアブラムシ科のヌルデノミミフシという虫が寄生すると五倍子(ごばいし)と呼ばれる虫こぶが出来る。その五倍子(ごばいし)はタンニン質が豊富で、昔はお歯黒や白髪染めの原料として利用されたようである。
また、秋、成虫が飛び出す前にその虫こぶを採取し、熱湯に浸して中の虫を殺して乾燥させて生薬としても利用すると聞く。
こうしたものが自然の恵みと言えるかどうかは分からないが、そのほとんどのものが利用されていた現状に、自然と共に生きていた昔の人の知恵と、その強かさを感じるのは確かである。
文明というものに頼りながら今を生きる我々に、果たしてそれが受け継がれているものなのか、昨今見える諸々のことからも、甚だ疑問と言わざるを得ないのが実情かもしれない。

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和 名 :白膠木(ぬるで)
植物分類:ウルシ科ウルシ属の落葉小高木
原産地 :日本からヒマラヤまでの温帯・暖帯に広く分布
学 名 :Rhus Javanica Linn.
花言葉 :巧妙
別 名 :フシノキ
木を傷つけると白い膠(にかわ)のような樹液が出る。それを物を塗る用途に使ったことからその名が付いたと言われている。雌雄異株である。