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稲(いね)の花 撮影日:2006年8月14日 撮影:管理人稲(いね) 撮影日:2006年8月14日 撮影:管理人田んぼの風景 撮影日:2006年8月14日 撮影:管理人早いもので8月ももう終わろうとしている。まだまだ残暑厳しい今年の夏だが、朝晩はかなり過ごしやすくなってきた。もう秋も間近なのだろう。
市街地から山の麓に向かって10分ほど、田んぼの並ぶ場所がある。以前からこの辺りは桃・梨・リンゴなどの果樹園や田んぼが多かった。時代の流れからその数はかなり減って来てはいるものの、まだ残るその景観にやや安堵した気分にさせられるのは正直なところだ。
昨今感じる再開発の流れから、この街が、この地域が、一体どこへ向かおうとしているのか、その具体的なビジョンすら見えてこないのが現状である。山の麓の自然を含め、こうした田や畑を残していけるそんな街、そんな地域になってほしいと感じるが、それにはまず私たちがそれを“強く望む”ことが必要なのだろう。
秋風が吹く頃この辺りでは、頭を垂れその色を黄金色に輝かせた稲たちの刈り取りを待つ風景が見られるようになる。

藪蘭(やぶらん) 撮影日:2006年8月12日 撮影:管理人藪蘭(やぶらん) 撮影日:2006年8月12日 撮影:管理人8月もすでに後半に入るがまだまだ残暑厳しい日々が続いている。
それでも日中35℃を上回ることは少なくなり、まるで温暖化によって加熱されたような今年の夏もそろそろ終わりに近づきつつあるようだ。だが、日々出される予報とは裏腹に降雨の確率が低いのがかなり気になるところ、やはり作物などへの影響が心配になる。
写真は藪蘭(やぶらん)。今月の初旬に載せた姫藪蘭(ひめやぶらん)と同じ仲間のユリ科ヤブラン属の多年草となる。別名を山菅(やますげ)といい、古くから歌に詠まれていたようである。
「ぬばたまの 黒髪山(くろかみやま)の山菅(やますげ)に 小雨零(ふ)りしき しくしく思ほゆ」柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)万葉集。
園芸用として品種改良されたのか、斑入りの葉を持つものがあるようで、庭園の木々の根元などに植えられることが多いと聞く。自生するものはその名の通り藪の中に咲き、あまり目立つことはない。そのためだろうか、花言葉は謙遜(けんそん)である。
その、死語となりつつある花言葉に、遠い昔の人々の暮しに想いを馳せながら、続く暑さの中で秋の到来を待つことにする。

市街地再開発 撮影日:2006年8月15日 撮影:管理人風越山(ふうえつざん) 撮影日:2006年8月15日 撮影:管理人この山、正式名称を「風越山(かざこしやま)」という。だが、地元高校の持つ名前のせいもあるのか、私を含め地元では「ふうえつざん」と呼ぶことが多い。
山頂近くには、718年(養老2年)に加賀国の白山霊場を開いた泰澄(たいちょう)によって開山されたという“白山社奥社”がある。そこに奉られている“白山妙理大権現”から、この山は「権現山(ごんげんやま)」と呼ばれていた。私自身子どもの頃にはそう呼んでいたのを覚えている。
標高1535m、山としてはやや低いが、その雄々しさゆえか、昔から皆に親しまれてきた山である。
異常気象が続く今日、こうした山の持つの自然の力は益々必要になってくる。そんな中、再開発と称する、麓を含めた市街地などの開発の動きが少々気になる昨今。元より自然が豊富な地である、それを壊すことなくこの地ならでは発展のさせ方はあるはずと思えるのだが。
山頂の“白山妙理大権現”はそんな下界の動きを愚かなことと見ているのだろう。

水引(みずひき) 撮影日:2006年8月13日 撮影者:管理人水引(みずひき) 撮影日:2006年8月13日 撮影者:管理人なんとも暑い日々が続く。日本列島の近くにいる台風がもたらす熱帯性の空気がその暑さの要因らしいが、連日の35℃を越える気温にはさすがに悲鳴を上げたくなる。
写真は水引(みずひき)である。この時期の野草としてはかなりポピュラーなものだが、今年はやや数が少ないようだ。
その名の水引(みずひき)は、ここ飯田地方の伝統の産業である。元禄の頃、飯田領主堀侯が凍豆腐を将軍に献上する際、「クレナイ」の儀式に習って紅白の水引を輪結びにしたことが始まりとされている。しかし、ほとんどの人は髷(まげ)を結っていた時代、水引(みずひき)はその髷(まげ)を結うための紙紐、元結(もとゆい)の副業だったようだ。
断髪令により元結(もとゆい)の需要は減り、その福業の水引(みずひき)が主要産業となっていったらしい。
現在、熨斗(のし)などに使われるのは知っての通り。元結(もとゆい)自体は相撲の力士の髷(まげ)を結うために今も残っている。

牡丹蔓(ぼたんづる) 撮影日:2006年8月6日 撮影者:管理人牡丹蔓(ぼたんづる) 撮影日:2006年8月6日 撮影者:管理人残暑が厳しいと予想された今年の夏。その予想通りなのか日中は30℃を遥かに越えることが多く、8月も中旬になるがまだまだ暑い日が続きそうな気配である。それでも朝晩の気温が夏の終わりを感じさせてくれる。
掲載の写真はこの時期に白い花を付ける牡丹蔓(ぼたんづる)である。牡丹(ぼたん)の名を持つがキンポウゲ科センニンソウ属の落葉蔓性木本となる。葉の形状からその名が付いたようだが、その花は同じ仲間の仙人草(せんにんそう)と区別できないほど類似している。
8月の始めに載せた草牡丹(くさぼたん)も同じ仲間になるが、茎、根、葉などに有毒成分を含んでいるのはこの仲間の特徴のようだ。この牡丹蔓(ぼたんづる)も例外ではなく有毒である。
この花が終わるころ山も里も秋の気配を感じるようになるが、朝晩の気温からその到来が早い予感もある。果たして今年はどんな秋になるのか、昨年のことを思うと不安を拭えないのは正直なところである。

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