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岡虎ノ尾(おかとらのお) 撮影日:2006年7月1日 撮影者:管理人岡虎ノ尾(おかとらのお) 撮影日:2006年7月1日 撮影者:管理人そろそろ7月も終わるが、未だ明けぬ梅雨にやや不安顔で空を見上げる昨今、幸いここ3日ばかりは晴れ間も出て暑い夏を予感させる。
写真は今月初旬撮影の岡虎ノ尾(おかとらのお)。この虎ノ尾(とらのお)の付く野草は結構多く、ゴマノハグサ科、シソ科、サクラソウ科とその科目も一つではないようだ。
岡虎ノ尾(おかとらのお)、日本原産の多年草。これはサクラソウ科オカトラノオ属となる。
毎年梅雨から夏にかけて見かける野草たちも、今年の異常気象には少々戸惑い気味かもしれないが、それでもきっちりと花を咲かせるようである。
来週あたりに明けるというこの梅雨だが、続く長雨と日照不足は作物への影響も心配されている。昨年秋から際立ってきたように思える気候の変動だが、その急激の変化に最初に翻弄されるのは人の暮しのようである。

蛍袋(ほたるぶくろ) 撮影日:2006年7月1日 撮影:管理人蛍袋(ほたるぶくろ) 撮影日:2006年7月1日 撮影:管理人続く梅雨空に、うんざりする思いのここ数日。今年の梅雨明けはいつになるのか、その予想すらたたないままのようである。各地を襲っている大雨の被害状況も気になるが、続く日照不足は農作物への影響が怪訝される。
写真は7月前半の撮影のもの。山の麓の近くでは、6月の終わり頃から“蛍袋(ほたるぶくろ)”が見られるようになる。その名の由来は、捕獲した蛍を中に入れ持ち帰ったためとも、形が提灯(火垂る袋)に似るためとも言われているが、どちらにしても、昔の日本人の暮らしが偲ばれる思いのする名である。
蛍袋(ほたるぶくろ) 撮影日:2006年7月1日 撮影:管理人現代社会の暮らしの中で、蛍を持ちかえりそれを楽しむような“心のゆとり”はなかなか持てないが、そんな風情に思いを馳せるのは私だけではないだろう。
夕涼みがてら、田の畔に蛍を追う。異常気象が進み、経済の歪が見える中、そんな暮しを取り戻すことは今の日本社会には必須とも思える。
“蛍袋(ほたるぶくろ)”、桔梗(ききょう)科ホタルブクロ属。日本の原産の多年草である。今年も未だ蛍を見られないそんな私を尻目に、そろそろ、その花の時期を終わろうとしている。

松川の濁流 撮影日:2006年7月19日 撮影:管理人松川の濁流 撮影日:2006年7月19日 撮影:管理人例年ではそろそろ梅雨も明けるこの時期だが、先日から断続的に強い雨が降り続いている。各地では大きな被害が出ているようである。
諏訪湖に始まり我が南信地方を通る、かつて「暴れ天竜」と呼ばれた“天竜川”も、久しぶりにその片鱗を見せ、中信から南信にかけて大きく氾濫したところもある。昭和36年の水害以降に改修されたと聞く“釜口水門”などの力もあり、しばらくはその鳴りを潜めていたようだが、今回降った7月の平均雨量をはるかに越える雨のためか、その力も及ばなかったと見える。
松川の濁流 撮影日:2006年7月19日 撮影:管理人写真はその“天竜川”ではないが、その支流、日ごろ行く山麓公園近くを流れる“松川”である。
上流にあるダムによる流水制限もあり、普段はあまり水量の多くない川だが、さすがにこれだけ降ればその流れる量は半端ではない。
湖の水門にしろ、ダムにしろ、迫りくる水量を想定しそれを力で防ぐ。温暖化により気象状況が変わる中、その想定をはるかに上回った時に起こりうることを考えると、少々怖くなるのが正直な気持ちである。
雨も風も日の光でさえ人の思惑の通りにいかないのが自然である。その自然の猛威に対して、もっと柔軟性を持った街・地域・環境が必要なのかもしれない。
幸い私の住むところは今のところ事無きを得てはいるが、今回の災害場所とは差ほど離れてはいない。改めて自分たちの住む街の作り方や地域の現状、また、その発展のしかたにもっと目を向けるべきと痛感する。
最後に、この場を借り、今回の大雨で被害にあわれた方々に心よりお見舞いを申し上げたい。

豆平虻(まめひらたあぶ) 撮影日:2006年6月21日 撮影:管理人豆平虻(まめひらたあぶ) 撮影日:2006年6月21日 撮影:管理人梅雨も終わりに近いのだろう、先日からかなり強い雨が断続的に振り続いている。今週末辺りには梅雨明けとなるようだが、続く大雨にかなりの警戒が必要とされるようである。
先月の撮影になる。毒溜み(どくだみ)の花に蜜を求めてきたのだろう、小さな豆平虻(まめひらたあぶ)を見つけた。この虻(あぶ)、かなり小さいがその動きは速くはない。それもあって、我が安デジカメの虫眼鏡マクロ撮影でもなんとかその姿をとらえることが出来た。
丸花蜂(まるはなばち)の仲間 撮影日:2006年6月24日 撮影:管理人3枚目は姫女苑(ひめじょおん)の花に花粉を集めに来た花蜂の仲間。足に付いた花粉が印象的である。
こうした、花と昆虫たちの共生関係は誰もが知るところである。自然の厳しさの中で生き延びるための生物同士の知恵のようなものなのだろう。利用し合っているというところが真実かもしれないが、お互いその存在がなければ生き延びられないのを知っているかに見える。
遠い昔には人も自然と一体だった。そのころに戻れるわけではないが、人もやはり自然がなければ生きられない。その関係は“寄生”ではなく“共生”として存在したいものである。さて、その相手に我々は何を返すことが出来るのだろうか。

大葉蛇の髭(おおばじゃのひげ) 撮影日:2006年7月8日 撮影:管理人大葉蛇の髭(おおばじゃのひげ) 撮影日:2006年7月8日 撮影:管理人この時期に花を付ける野草の一つである。葉の形状から大葉蛇の髭(おおばじゃのひげ)との名が付いているというが、よくよく考えれば蛇(へび)には髭(ひげ)などはないのが普通である。別名である大葉竜の髭(おおばりゅうのひげ)の方がやはりしっくりくるように思う。
その別名に付いている「竜」は、日本の神話・民話でも数多く耳にするが、中国が起源の伝説上の生物というのは知らない人はいないだろう。十二支(じゅうにし)にも登場するのだが、古代の頃に黄河流域に実在したワニ(揚子江ワニ)の一種が誇張され、それが滅んだ後に伝説化されたものという一説があるようだ。
我が国には仏典(ぶってん)を通して伝わったと聞くが、日本の蛇(へび)信仰と合体したようにも思える。各地で「竜神(りゅうじん)」という名で水の神として信仰の対象になったのは結構知られるところだろう。
雨量は少なく降れば豪雨の昨今の梅雨、竜の伝説ではないが、このまま不穏な気候が続けば、残る自然に手を合わせたくなるのも当然な振舞いなのかもしれない。
この際私も、可憐な花を付けるその日陰の野草に、変わらぬ季節が廻るのを祈ってみようか。

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