大葉蛇の髭(おおばじゃのひげ) 撮影日:2006年7月8日 撮影:管理人大葉蛇の髭(おおばじゃのひげ) 撮影日:2006年7月8日 撮影:管理人この時期に花を付ける野草の一つである。葉の形状から大葉蛇の髭(おおばじゃのひげ)との名が付いているというが、よくよく考えれば蛇(へび)には髭(ひげ)などはないのが普通である。別名である大葉竜の髭(おおばりゅうのひげ)の方がやはりしっくりくるように思う。
その別名に付いている「竜」は、日本の神話・民話でも数多く耳にするが、中国が起源の伝説上の生物というのは知らない人はいないだろう。十二支(じゅうにし)にも登場するのだが、古代の頃に黄河流域に実在したワニ(揚子江ワニ)の一種が誇張され、それが滅んだ後に伝説化されたものという一説があるようだ。
我が国には仏典(ぶってん)を通して伝わったと聞くが、日本の蛇(へび)信仰と合体したようにも思える。各地で「竜神(りゅうじん)」という名で水の神として信仰の対象になったのは結構知られるところだろう。
雨量は少なく降れば豪雨の昨今の梅雨、竜の伝説ではないが、このまま不穏な気候が続けば、残る自然に手を合わせたくなるのも当然な振舞いなのかもしれない。
この際私も、可憐な花を付けるその日陰の野草に、変わらぬ季節が廻るのを祈ってみようか。