種漬花(たねつけばな)

4月。その4日が開花予想の飯田地域の桜。昨日、知らぬ間に開花宣言が出されていたが、それを知ってか知らずか、一昨日辺りから冬に逆戻りしたような気候となっている。多分、この寒さには、開きかけた桜たちも面食らっているだろう。やはり、見ごろは一週間後辺りになるのだろうか。
この時期、桜のみならず芽吹いた小さな野草たちも花を付ける。大犬の陰嚢(おおいぬのふぐり)、繁縷(はこべ)、仏の座(ほとけのざ)、姫踊子草(ひめおどりこそう)、薺(なずな)、犬薺(いぬなずな)など、最近の単一植物の群生が少々気になるが、4月ともなると種類・数ともずっと増えてくる。
写真は、種漬花(たねつけばな)。
その呼び名と風体から「種付花」と思っていたが、実際は「種漬花」が正しい。由来は、種籾を水に漬け苗代の準備を始める頃に花が咲くためということだが、それより少々早く咲くようである。
こうした野草の名前から、農を中心に、季節と共に生きていた我々の祖先の姿が見てとれるが、四季のハッキリしたこの国の風土ゆえに、野草などの生態は暮らしを営む上での一つの歳時記となっていたのだろう。
寒い冬を過ぎ、野も山も芽吹きの力に溢れてくる。農と共に生きる民族には、やがて来る実りの季節に期待が膨らむ4月である。
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