種漬花(たねつけばな) 撮影日:2008年3月23日 撮影:管理人種漬花(たねつけばな) 撮影日:2008年3月23日 撮影:管理人4月。その4日が開花予想の飯田地域の桜。昨日、知らぬ間に開花宣言が出されていたが、それを知ってか知らずか、一昨日辺りから冬に逆戻りしたような気候となっている。多分、この寒さには、開きかけた桜たちも面食らっているだろう。やはり、見ごろは一週間後辺りになるのだろうか。
この時期、桜のみならず芽吹いた小さな野草たちも花を付ける。大犬の陰嚢(おおいぬのふぐり)、繁縷(はこべ)、仏の座(ほとけのざ)、姫踊子草(ひめおどりこそう)、薺(なずな)、犬薺(いぬなずな)など、最近の単一植物の群生が少々気になるが、4月ともなると種類・数ともずっと増えてくる。
写真は、種漬花(たねつけばな)。種漬花(たねつけばな) 撮影日:2008年3月16日 撮影:管理人その呼び名と風体から「種付花」と思っていたが、実際は「種漬花」が正しい。由来は、種籾を水に漬け苗代の準備を始める頃に花が咲くためということだが、それより少々早く咲くようである。
こうした野草の名前から、農を中心に、季節と共に生きていた我々の祖先の姿が見てとれるが、四季のハッキリしたこの国の風土ゆえに、野草などの生態は暮らしを営む上での一つの歳時記となっていたのだろう。
寒い冬を過ぎ、野も山も芽吹きの力に溢れてくる。農と共に生きる民族には、やがて来る実りの季節に期待が膨らむ4月である。
そんな4月に値上げのラッシュ。食品をはじめ、ガス、電気、水道など、庶民には厳しい新年度の始まりとなった。原油価格の高騰に端を発し、バイオエタノールの影響、小麦原産国の干ばつなど、要因となる世界の動き・状況の中、自給率の低い国はその煽りを受けざるを得ない。
戦後、豊かさを求めたゆえか、経済発展のみを重点に、効率と速さに振り回されながら今まで突き進んできた。結果、経済大国の幻想の中、バブルを生み出しそして弾けた。
気がつけば、農を始めとする一次産業は衰退し、食料でさえも自給率の極めて低い国となってしまった。なんともお粗末な話しだが、今後の肥やしにするためにも、国として政策の失敗を認め、その反省の上に立ち、今一度国内自給のための取り組みに当ってもらいたいものである。
そんな中、暫定税率と称する道路特定財源が、野党の審議拒否により継続が打ち切られた。結果として、一時的にしろ“ガソリン価格だけ”は下がることになった。その結果に鬼の首を取ったような顔の野党側だが、この問題の本質は別のところにある。暫定のまま審議もされず長年に渡り継続され、必ず入るものとされてきた。その結果、無駄な道路は増え、環境破壊の要因ともなっている。そんな政府側から「環境のことを考えた上でも」の言葉を聞いた時は、さすがに笑うしかなかったというのが正直な感想だが、例のこっそり閉めた駅前の施設ではないが、その財源目当ての天下り先ともいえる正体不明の機関が乱立しているのも事実である。
そんな実情は別にしても、深夜0時から値下がりを待ちわびたように給油スタンドに列を成す人々にはさすがに眉をひそめたくなったが、その行動に我々庶民の「せめて」の切なる思いが込められているのも確かなことである。