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屁糞蔓(へくそかずら) 撮影日:2006年8月30日 撮影:管理人屁糞蔓(へくそかずら) 撮影日:2006年8月30日 撮影:管理人野草の名前というものは風情を感じるものから、まるで手抜きで付けられたかのように感じるものまで様々だが、中にはかなり気の毒な名前を持つものもいくつかある。
この屁糞蔓(へくそかずら)もその一つだが、葉や茎を揉んだり、秋につく実を潰すとかなり強烈な匂いがすることから付けられた名のようだ。しかし、その名とは裏腹に花は結構可愛らしく見える。
そのためか、いくつかの別名を持っている。花を水に浮かべた形から“早乙女花(さおとめばな)”または“早乙女蔓(さおとめかずら)”。花の内側の赤い部分を灸(きゅう)の後に見立てて“灸(やいと)花”などである。
しかし、悪臭のため馬も食わないという意味から“馬食わず(うまくわず)”なる別名も存在することから、どうやらこの野草、その匂いの印象がかなり強かったようである。ただ、普通に鼻を近づけたくらいではそういった悪臭は感じられず、やはりその名は気の毒と思ってしまうのが正直なところである。
屁糞蔓(へくそかずら)、アカネ科ヘクソカズラ属の蔓性多年草。7月の終わりから9月中旬頃まで山野のいたる所で見られるが、この花が終わる頃この山の麓にも秋の気配が濃厚となってくる。
果たして今年はどんな秋が廻ってくるのか、昨年を思うとやや不安に感じるが、変わりのない季節の移り変わりを願う中で、夏の終わりを強く感じるこの頃である。

山杜鵑草(やまほととぎす) 撮影日:2006年8月12日 撮影:管理人山杜鵑草(やまほととぎす) 撮影日:2006年8月12日 撮影:管理人山杜鵑草(やまほととぎす) 撮影日:2006年8月12日 撮影:管理人朝晩の気温の低下と、聞こえ始めた夜の虫の音が、間近に迫った秋の到来を告げている。
写真は山杜鵑草(やまほととぎす)。8月から9月頃、藪などの日陰にひっそりと咲いているのが見られる。園芸用に庭などでよく見かける杜鵑草(ほととぎす)に比べその花はかなり小ぶりだが、直立した姿に野生のたくましさを感じる。
山杜鵑草(やまほととぎす)、ユリ科ホトトギス属の多年草。その原産地は日本である。
暑さが予想された8月。その予想通りだったのか、連日30℃を越える日々が続いた。かなり降雨量が少なく、野菜など作物への影響が心配されたが、その月もすでに終わりを告げた。
夏と秋の境に咲く野草と夜の虫の音に、ようやく秋を感じ始めたこの山間の盆地にも、“実りの秋”という呼び名の通り、黄金の季節が廻り来ることを願いつつ、今年の8月を見送ることにする。

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