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この味で育ち、この味を楽しんでます♪

 【 第六回 】 養蚕と“桑の実”
 昭和初期、ここ飯田地方は養蚕が盛んだった。まだ高度成長期の前、当時は貴重な現金収入源だったのだろう。周りには桑畑が広がり梅雨から初夏にかけてその桑は実を付ける。
「お腹をこわす」と叱られながらも、口の周りを紫色に染めながらこの実を頬張った。子供の頃のなつかしい味の一つである。
 私の実家でも蚕(かいこ)を飼っていた。普段は母と祖母が主な担い手だったが忙しくなると私たちも当然駆り出された。家族総出で桑の葉を摘み、あるいは枝ごと切り出し、リヤカーに山のように積み上げて運んだ。
 化学繊維の普及や社会の変化によってこの辺りでは「養蚕」は死語になりつつある。
夏の時期、葛(くず)を使った和菓子が多く出まわる。最近では生麩を使った“麩饅頭”も登場しているようだが、麩饅頭といえば京都が本場。この地の麩饅頭、風味や食感は京都のそれにはまだ遠く及ばないようである。
Key
笹葛(くず) 麩饅頭
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