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草牡丹(くさぼたん) 撮影日:2006年7月22日 撮影者:管理人草牡丹(くさぼたん) 撮影日:2006年7月22日 撮影者:管理人梅雨も明け蒸し暑い日々が続くようになった。これで作物への日照不足が一気に解消されることを願う。
掲載の写真は山の麓の公園で毎年見かける草牡丹(くさぼたん)。1m近い背丈になるが、その生息する場所もあるのか、ここではあまり目立つ存在ではないようだ。その葉が牡丹(ぼたん)に似るところから付いた名ということだが、牡丹(ぼたん)とは違い、仙人草(せんにんそう)の仲間となる。キンポウゲ科センニンソウ属のたぶん多年草。
茎、根、葉などのほぼ全体にプロトアネモニンという有毒成分を含んでいる。肌に付くと火ぶくれ状の皮膚炎を起こすようで、当然口にするのは厳禁である。
そんな草牡丹(くさぼたん)の咲く夏の山麓公園だが、アウトドアブームのせいなのか、はたまた市の目論みか、何やらやたら騒がしいのが気にかかる昨今である。
いつの世も、人が集まればその場が汚れ、環境は壊されて行く。それは仕方がないこととは決して思いたくはないのだが。

駒繋ぎ(こまつなぎ) 撮影日:2006年7月23日 撮影者:管理人駒繋ぎ(こまつなぎ) 撮影日:2006年7月23日 撮影者:管理人北の一部を除き日本列島もようやく長かった梅雨が明けたようだ。これも温暖化の影響なのか、例年と違う夏の訪れに皆戸惑い気味なのは確かである。
もたらす大気の汚染を分かりながら化石燃料を使いつづけたその報いといえばそれまでだが、このところの迫りくるような気候の変動はかなり不穏に感じる。
掲載の写真は駒繋ぎ(こまつなぎ)。一見すると草のように見えるが、マメ科コマツナギ属の落葉低木である。その花は萩(はぎ)と良く似ている。
地中深く根をおろし簡単には抜けることがなく、茎が強健で折れ曲がらないため駒(馬)を繋いでおいたことからその名が付いたということだが、この葉を馬が好んで食べ、その場を離れなかったというのが本当の理由のようである。
古くからあるこうした野草の名前からは、いつも当時の日本の暮しが偲ばれる思いがするが、道端の低木に馬を繋ぎ、その葉を食べさせる。たぶん人もそこで一息ついたのだろう。
資源をむさぼるように使い、そのあげく環境を壊し、まるで破滅に向かって突っ走っているようにさえ思える現代社会。経済システムを含め、この当時の暮しとその速度から何か学ぶことはないのだろうか。
迫りくる温暖化の脅威の前に、未だ経済失速を恐れ有効な対策を打ち出せずにいる今の社会状況を見るにつけ思うことである。

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