昨夜、わが街のライブハウス「ふぉの」において「良元優作」という人物のライブがあった。私は初めて聞く名である。
好みの問題とも思うが、私自身は、メジャーな、名の売れたシンガーにはあまり興味がない。出かけるライブの大半は若かりしころ聞いたミュージシャン。アンダーグラウンドでありながら今も元気に活動している往年のシンガー達が多い。だが、この「良元優作」氏、かなり若いようだ。仕事激減のわが現状の中、僅かな出費も抑えたいこともあり、正直、かなり迷った。しかし、それに関わっていた知人の顔を立てたいとの思いの方が勝ったのだろう、小雨の降る中、夜の市街地まで出かけていった。
集まったのは数名だろうか。それも、そのほとんどがこのライブに何らかの関わりを持っている人達のようである。その現状に、この地域の音楽事情を再認識。寂しい思いがするがそれが現実。
都市化が進んでいるとはいえ、人との関わり方・繋がりなどは田舎丸出しの地域。ライブなどの催しに人を集めるにはかなりの努力がいる。ことにこうしたアンダーグラウンドというべき音楽のジャンルは、よほどのメジャーなミュージシャンではない限り、一方通行の宣伝ではまず効果がないだろう。チラシ・チケットなどを持ち、“人から人へ”直接伝え広めなければその集客はかなり難しい。
そんな田舎らしいともいえる人間模様を、良しとするか悪しとするかは場合によって異なってくるが、益々高齢化が進む中、一体誰がその恩恵を受けるのか、今も自然を壊しながら進む地域開発、騒ぎ始めている「リニヤモーターカー」問題など。その変りつつある地域に、井戸端会議のような場所で聞こえてくる“不満と不安”の混じった小さな声が表に出てくることはまずはない。どうやら“人から人へ”伝え広めなければならないのはライブだけではないようである。
さて、肝心のそのライブ内容だが、己自身にあまり期待感がなかったこともあるのか、「実に良かった」、「行って良かった」というのが正直な感想である。
世は広い。まだ知らない、才能あるミュージシャンは結構居るらしい。そんな現状に、少し救われた気分になる。文字通りの実感として。

「メジャーとマイナー」。今回の題名ではないが、一つの小さなライブから、こんなことを考える私も少数派、マイナーな存在なのだろうか。


メジャー:より大きい・多い・重要な(greater)を意味するラテン語 major(マヨール)の英語読み。
マイナー:より小さい・より少ないの意味のラテン語。(minor)ミノール。知名度・認知度が低い事、少数派。