台風18号、三河湾辺りから上陸、本州を縦断するように我が飯田市の頭の上を通過していった。
アルプスに守られた伊那谷地方。背中に背負った風越山の存在もあって、他の地域と比べ大きな被害の出難い飯田市近辺。だが、農の盛んなこの地域では、果樹や稲などの農作物への被害が多いのも事実である。

今のボロ借家に移り住んで約30年の私、台風は幾度となく経験したがこれほどの脅威を感じた台風は初めてのような気がしている。今回、雨は別にしても、深夜、突風のように吹く風に、この台風の、計り知れない大きさを持った、未知のエネルギーのようなものを感じた。幸い、我が住まいには大きなトラブルは発生しなかったが、報道から見える被害状況に、その威力のすごさが伝わってくる。

温暖化により季節は2極化し、台風などは数を減らしつつその個体は強大化すると言われている。三河湾付近から上陸した今回の18号台風、その経路から、この飯田地方にも大きな被害を残していった、昭和34年の台風15号、あの伊勢湾台風を髣髴させた。それと同じに、今後の強大化するであろう台風の序章を見せられたような気もしている。
温暖化が、この気象の異常が、人が招いた結果というならば「ざまぁねぇや!」と諦めもつくが、その変化の影響を真っ先に受けるのは、温暖化効果ガス排出とは無縁に近い暮らしをしている人々だということは、決して忘れないようにしたいことである。
台風は、まだ海上には抜けずに本州を北東に進んでいるが、これ以上の被害を出さないことを願ってやまない。