トンボの群れ 撮影日:2009年9月9日 撮影:管理人トンボの群れ 撮影日:2009年9月9日 撮影:管理人ブログの更新もしないままに、気がつけば9月も後半、明日からは連休に突入する。飯田地方、日中はまだ25℃を上回るものの、朝晩は15℃前後とかなり涼しくなってきた。10月上旬の気候ということだが、この頃の気温の変化の大きさには、我が身体は対応しきれていない様子である。
今月の上旬のこと、出かけたついでに山麓公園辺りをうろついてみた。野草たちの振る舞いに季節感を感じなくなった昨今だが、吹き抜ける風は夏の終わりと秋の始まりを感じさせ、心做しか人恋しくなってくる。そんな感傷に浸りながら川縁まで来た時、トンボの群れが私を取り囲んだ。「アキアカネ」である。
春に羽化した彼らは、しばらく平地に留まるが、川縁の薄は秋を強く感じさせる。 撮影日:2009年9月9日 撮影:管理人夏の暑さが辺りを覆う頃、それを避けるように高地に移動する。稲穂が垂れ始めて秋の気配が濃厚になると、産卵のためまた平地に下りてくる。
気候の異変に早々と反応してか、野草など植物たちの生態に季節感が失われつつある中、このアキアカネのように、頑なに今までの生息パターンを守りつづけているものもいるようである。そのどちらが正解なのかは分からないが、やがて長い時間をかけて淘汰され、生物全体の形態も変わって行くのだろう。
自然と乖離してしまった我々“人”が、淘汰され残る生物の仲間には入れるかどうかはなんとも言えないところだが、季節の持つ本来の意味は固より、温暖化のため変化していく気候が齎す影響の大きさと、その深刻ささえ実感できない現状ではその可能性は低いのかもしれない。
そんなことを考えながら歩く私の頭の上を、そのトンボたちは、まるで秋が来たのを教えるかのように、いつまでも飛び回っていた。