梅の花「市街地公園内」 撮影日:2009年2月28日 撮影:管理人梅の花「市街地公園内」 撮影日:2009年2月28日 撮影:管理人梅の花「市街地公園内」 撮影日:2009年2月28日 撮影:管理人3月。早いものである、今年になりすでに2ヶ月が過ぎたことになる。
冬と春が同居しているこの時期、本来ならば上雪と呼ばれる春のドカ雪が見られる頃だが、温暖化の影響なのか降るのは雨ばかりである。車社会の今、我々にとって積雪が少ないことは、いろんな意味で“楽”ともいえるのだが、治水の役割を担う山々の降雪が減れば、春先の水不足が心配されることになる。今更ながら、自然のサイクルから益々掛け離れて来ている今の人間社会を痛感するが、それでも春という季節は近づきつつあるらしく、今年も、あちらこちらで梅の花が咲き始めたようである。
『梅一輪、一輪ほどの暖かさ』芭蕉(ばしょう)の弟子である梅の花「市街地公園内」 撮影日:2009年2月28日 撮影:管理人梅の花「市街地公園内」 撮影日:2009年2月28日 撮影:管理人服部嵐雪(はっとりらんせつ)の有名な句である。今日では、花見といえば“桜”を指すが、古来日本では春の花の代表は“梅”。花見とは梅の花を堪能することだった。万葉集の中には、梅の花を詠んだ詩が118首ほど出てくるそうだが、寒さが緩む頃、楚々と咲く梅の花を楽しむ。なんとなくこの国の本来の文化が見て取れるような気がするが、見栄えと派手さが売り物の今の桜の花見とは、少々趣が違うようである。
蛇足となるが、梅干が好物の私。鑑賞用の“花梅”より、実を収穫する“実梅”の花の付き具合が気になるところ。『梅一粒、一粒ほどの有り難さ』ではないが、固より健康食品として名高い梅の実である、温暖化によりその収穫に大きな異変がないことを祈りつつ、今年も梅の花の香る季節を迎える。