湯たんぽのひび割れ 撮影日:2008年12月18日 撮影:管理人ポリエチレン湯たんぽ 撮影日:2008年12月18日 撮影:管理人12月も中旬を過ぎた。暖かいためか今一つ年末という気がしてこないが、それでも季節は冬、すでに暖房器具は欠かせない存在となっている。来週辺りから例年通りの気温に戻るということだが、上がったり下がったりと急激な気温の変化は身がもたないのが現状。できれば緩やかに変化して欲しいものである。
寒さが厳しさを増すこの時期、我が家は湯たんぽが登場する。昔ながらのトタン製のものとポリエチレン製の2種類。購入は同じ年、今年で3度目の冬となる。
先日、早々と使用していたトタン製のものに加え、厳しくなる寒さに備えポリ製もお目みえとなった。実はこのポリ製湯たんぽ、昨年にはすでにキャップのパッキンが切れ、湯漏れを起こしていた。パッキンの位置の調整と、湯量の調整でなんとか使えていたものである。
湯を入れ、パッキンの位置を気にしながらキャップを締めたが思いもよらぬ所から漏れた。本体である。目をこらして見ると、少しひび割れらしきものが見える。熱湯使用のため、劣化を早め材質が硬化したのだろうか。購入してから丸2年。そのあまりに短い耐用期間にかなりの衝撃を受けた。
普段我が家では、廃棄せざるを得ない時のことを考え、プラスチックの類を買うことは少ない。しかしこの湯たんぽ、ポリ製はトタン製に比べ約4分の一の値段だった。購入したのは地元資本の量販店。トタン湯たんぽが売り場に一つしかなかったこともあるが、その安さが購入に踏み切らせたのも確かである。
戦後、右肩上がりの経済の中、食器などを含め、石油化学素材を使った便利で扱いやすい物が安価で出まわるようになった。消費は押し上げられ、人々の暮らしは豊かになったように思えた。しかし、同時にそれは使い捨て文化を後押しする結果となり、大量のゴミを生み出す原因ともなった。
私の子供の頃、湯たんぽといえば年代物の陶器製。蓋は、壊れたのか、なくしてしまったのか、木片に布を巻いて詰めてあった。それでも充分に使えたのである。
そんな、物がなく貧しかった頃に戻れとは言えないが、使えるものは大事に使い続けていたあの時代の流れの中に、環境は固より、確実に見え始めている今の経済システムの欠点を補えるヒントもあるのかもしれない。ゴミと化したポリ湯たんぽを眺めながら、ふとそんなことを考えていた。
出費を抑えるためとはいえポリ製を選んだ己を反省しつつも、一つ減ってしまった小さな暖房器の後釜は早急に探さねばなるまい。