天竜川の葦 撮影日:2008年10月17日 撮影:管理人秋の川原の葦原 撮影日:2008年10月17日 撮影:管理人天竜川 撮影日:2008年10月17日 撮影:管理人いよいよ11月。晩秋を迎え、飯田地方も木々が色付き始めたが、このところの朝晩の急激な冷え込みが、すぐそこまで来ている冬の存在を強く感じさせるようになってきた。ようやく下がり始めた灯油の価格状況を横目で覗いながらも、そろそろ暖房機の準備が必要と感じている今日この頃である。
掲載の画像は、「天竜川」の川原の風景。我が南信を縦に通りぬけて、静岡県を経て海に達する一級河川である。住んでいる地域から少々離れていることもあり、普段、あまりここまで来ることはないのだが、出かけたついでに、久々に立ち寄ってみた。
撮影したのは10月の中旬。草や木々の葉はまだ青さを残してはいるが、日の光をはね返しながら風に揺れる葦(よし)の穂が、秋の訪れを感じさせてくれている。ふと、揺れる葦や枯草などにつかまっている小鳥が目に付いた。葦切(よしきり) 撮影日:2008年10月17日 撮影:管理人多分「葦切(よしきり)」と思われるが、近くに巣でもあるのだろう、しきりに辺りを窺いながらせわしなく動き回っている。中州の水辺近くには「アオサギ」らしき大型の鳥が川下を気にしながら羽を休めていた。
さらに護岸伝いに足を進めると、二羽の雉(きじ)の雄に出くわした。突然飛び出してきたため少々面食らったが、なんとか画像はゲット。彼らは、私に気付くとあっという間に草むらに消えていった。中州近く、翡翠(かわせみ)が枝に止まり水の中の獲物を狙っているのも見られたが、カメラを向ける前に逃げられる。時間もないことから、その存在を確認できただけでも幸せと、今回の撮影は断念した。
この川、昨今の気候変動のためか、豪雨時には、再び嘗ての呼び名「暴れ天竜」の様相を見せ始めている。雉(きじ)の雄 撮影日:2008年10月17日 撮影:管理人アアオサギかな? 撮影日:2008年10月17日 撮影:管理人そんな中、ここに生息する動・植物たちは、きっちりと子孫を残し生き抜いているようだ。豪雨のたびに濁流に呑みこまれる場所。その危機を知っていたかのように、それが去ればまた再生を始める。そんな自然の世界に、底知れぬ逞しさを感じるのは確かである。
比較する訳ではないが、人間界に目を向ければ、経済の失速を恐れ、温暖化対策すら有効な手立てを打ち出せない世界の各国。経済の落ち込みを止めるため、その起爆剤として戦争をしかける大国。あげく、そんな大国発の経済危機。加えてマネーゲームの末路ゆえなのか、世界恐慌の恐れ。なんともお粗末だが、それもまぎれもない事実である。
遥か昔に、生物の中で唯一目覚めた「自我」が邪魔をしたのか、自然界と乖離してしまった“人間”という生き物が、なんとも愚かに思えた川原に生きる動・植物たちの様だった。しかし、私も、そんな愚かな生物の一人である。