土筆(つくし) 寒さも温かさも予兆もなくやって来る今季、その寒暖の差に、若干戸惑い気味の我が身体である。立春を過ぎ、暦の上では春だが、雨水を抜けて啓蟄の頃までは、三寒四温を繰り返しながら、徐々に春に向っていく。2月のこの時期、やはり、まだ冬と言った方が正しいのだろう。
 そんな2月、やや穏やかな初旬、久しぶりに山麓公園辺りを散策してみた。暖冬の影響で、一旦は顔を出し始めた野草の芽も、その後の寒さで枯れてしまったようだ。そんな中、妙琴ツツジ園のサイクリングロードの脇に土筆(つくし)を見つけた。
土筆(つくし)。ご存知杉菜(すぎな)の胞子茎である。撮影したのは2月の4日、後日訪れた時にはもう見つけられなかった。毎年のことだが、出ては枯れ、出ては枯れと、その気候を確かめるような、野草たちの挑戦はすでに始まっているらしい。
 現政権の経済政策の失敗が、結果として現れ始めたように感じるこの頃、福祉を削り、防衛費を増やし、バラマキ外交によって得られた結果がこれである。違憲の事実を無視をして通った法案、福島の教訓が活かされないまま再稼動される原発、新たな米基地の辺野古問題、そしてTPPと、その事実がメディアで報道されないままに動き始めている。支持率が上がったとの報道の中、その行く末の不安が現実のものとなり始めたと感じている。
 枯れても枯れても、春を確かめるように繰り返される野草たちの挑戦ではないが、まだまだ終ったわけではないと、やはり諦めずに居たいもの、今年行なわれる予定の参院選、戦後最低の投票率の一昨年の衆院選の二の舞ならないように、皆が権利の放棄をしないことを祈る。
~土筆(つくし)・杉菜(すぎな)~
わが国の各地をはじめ、北半球の暖温帯地域に広く分布。平地から山地にふつうに生え、20cm~40cmほどになる。地上茎には2形あり、栄養茎を「杉菜(すぎな)」、胞子茎は「土筆(つくし)」と呼ばれる。成熟すると茎の頭部から胞子を飛散させる。「つくし」の名は、地中から天に向かって「突く」さまから付いた。食用可能。
科目名:トクサ科トクサ属の夏緑性シダ類
学 名:Equisetum arvense
英 名:Field horsetail