我が家の「蚊遣り」、蓋をするとこうなる。ヤニがたまるのが難点。我が家の「蚊遣り」蚊取り線香入れだ。なかなか重宝している♪月1回の更新も危うくなってきているこの頃。結局7月は一度も投稿できなかった現状に反省の念が己を責める。続く猛暑のせいにはしたくはないが、年齢も加味してか、このところ集中力の低下が著しいのは確かのようである。
飯田地方、今週に入り多少暑さも和らぐのかと思っていたが、まだまだ30℃を越す日々は続きそうな気配だ。益々都会化が進む田舎町は、夜になっても気温は下がらず、寝苦しい夜が寝不足気味の我が睡眠を妨げる。
古い家屋の我が住まい、付けても意味をなさないこともあり、エアコンなどの類は所有していない。簾と葦簾の守る中、窓を開け放し、外気を入れて眠りにつく毎日である。窓を開け放せば厄介者の“蚊”も入ってくることになる。ゆえに、我が家の夏は蚊取り線香は必需品である。電気式の蚊取りではなく、昔からの渦巻き蚊取り線香。今年はこの出番がかなり多い。
今月の1日、某新聞の天声人語には、蚊遣りの豚を話しの枕に、今と昔の違いと共に夏の「和のもてなし」のことが書かれていた。障子の開け放された客間に焚かれた蚊取り線香の、香りと煙が揺らめく中、訪れるであろう客を静かに待つ空間。今でも頭に浮かぶ夏の一つの情景である。アルミサッシとエアコンのガードの中で客人を迎える今、蚊と一緒に季節感も追いやっているのは確か。新聞では、蚊取りの煙の揺らぎから盆の迎え火に移り「しのぎ方は変われど・・・中略・・・優しい習わしが、日本の夏をつなぎ留める」と結んでいる。
しかし、夏とはいえ、以前はこんなに暑くはなかった。家の中を、部屋を、外と隔離する必要もなかった。正直、その辺りをスッキリと切って欲しかったというのが率直の感想だが、それは単に捻くれ者の“ケチ付け”ということになろうか。
ともあれ、猛暑に包まれている今年の日本列島、わが家では蚊遣りの夏がしばらく続きそうである。「日本の夏、蚊遣りの夏」そんな昔からの情景が、開発の名の下に変って行く街と気候変動によって、忘れ去られたものにならぬよう祈りたい。
なお、写真は豚ではないが、わが家の蚊遣りの器である。フェアトレードで国外から入ってきたものを、その専門店で購入したもの。3年ほど経つが、かなり重宝している。