2ヶ月ぶりの投稿となる。仕事激減に加え体調不良が続き、ブログの投稿文章を考えるほど元気がなかったというのが正直なところである。現在もその現状はあまり改善されてはいないが、このまま放っておくわけにも行かず、点検を兼ねて、久々にサイト内の見回り。
それで気がついた訳ではないが、以前から時折あった現象、ここのSNS、「タウンズマックス」の反応がすこぶる悪い。サーバートラブルの可能性も高いため、管理会社に問い合せてみたが、今一つ原因が見えてこない。
そんな時、サポートフォーラムで目にした、「サーバーが重くなる動作障害は、すべてスパムブログが原因」の投稿。その影響について7月にTVのニュース特番で報道されたらしいが、残念ながら私自身は見ていない。ネット上で、その時のコメンテーターとして出演していたらしい人物の投稿記事を見つけたが、それによるとどうやらアフィリエイトと関係があるらしい。

「アフィリエイト」。ご存知の通り商品等の広告を自分のサイトに貼り付けて収入を得るものである。私のサイトでもいくつか貼り付けてはあるが、正直な話し稼ぎにはならないのが現状である。そのアフィリエイトと迷惑ブログにどんな関係があるのか。確か4~5年ほど前だったと思うが、ブログによる商品紹介で、広告収入を得ている人の特集を、同ニュースチャンネルで見た記憶がある。その頃から、ブログを一つの広告媒体としてみる風潮が強まったように思える。
コンピュータ・インターネットの仕組みは元より、“HTML”すら知らなくても情報発信のできるブログは、あっという間にネット上の市民権を得たのは、誰もが知るところである。その手軽さゆえだろう、アフィリエイト業界へ参入する者たちも増えてきた。
稼ぎになると聞けば、そこに参入する人間が増えるのは当然と言えば当然な話しだが、いかにブログと言えども、広告を貼りその紹介文を書くことは、それなりの手間と労力が要る。そこで、プログラムの憶えのある者たちは、投稿記事の内容は無視し、「下手な鉄砲も数撃ちゃ・・・」ではないが、ブログ量産ソフトウェアなるものを自作し、無料ブログサービスを中心に手当たり次第に登録していったようである。当然だが、そこに書かれた文章はなんの意味も、なんの脈絡もなく、ソフトで自動収集したのか他人のブログの一部や、ニュースサイトの記事をそのまま引用したようなものまであったらしい。その頃は競合もさほどなく、盗用などの取り締まりも緩やかだっためか、かなりの荒稼ぎができたのも事実だったようである。

自動収集・自動配信が増えればサーバー負担が増えるのは明らか。真面目にブログを配信している人達に影響が出始め、問題視されるようになるには、そんなに年数はかからなかっただろう。
その後、自動ツールによって作成されたブログは、監視・禁止・削除などの対策が取られるようになり、それにより一端は減少した「迷惑ブログ」だったが、その後、事態はさらに悪化しながら思わぬ方向へ向かっていったらしい。
「濡れ手に粟」ではないが、せっかくの稼ぎに「待った!」をかけられた者たちの中には、ブログ量産で一時稼ぐことのできた実績を「情報商材」、ソフトを「ツール」として売り始めた。数年以上前からインターネットをしている人なら、そういった類の広告やメールを一度は目にしているはずである。まともなアフィリエイトでは稼げなくなった輩の“〇知恵”のようなものなのだろうか。多分、彼らはまだ収益を上げていることだろう。

さて、本題の我がSNS遅延の“直接の問題”だが、「情報商材」や「自動ブログツール」売りさばいている者たちではなく、そんな彼らの商材・ツールを購入してアフィリエイトで多額の収入を得ようとしている者達の急増である。企業でもない限り、使用しているのは通常「共有サーバー」、現に私もそうである。いかにサーバーの能力が上がって来ているとは言っても、無限のように増殖するブログが一斉に自動送信、CRONジョブなどを行なったら、多分ハングアップしてしまうだろう。
その人達は、高収入を夢見て、その行為が他人に迷惑になっていることも知らず、多分、毎日のように、せっせせっせとツールを使って“迷惑ブログ作り”に励んでいるのではないのだろうか。その様は、どこか、人を巻き込むとも思わず“ネズミ講”に嵌ってしまった人達に似ている。
ニュース番組に出演した人物は、自分の投稿記事の中で「今のネット業界で迷惑ブログが稼げるわけがないのです。」と断言している。

余談となるが、光ファイバー普及で通信速度は格段に速くなっている今日。最近ネットを始めた人達のほとんどは、ADSL以下のナローバンドの存在すら知らない人達が増えている。そんな人達もまるで業者の策略に嵌るかのようにネットに入ってくる。混乱を目的とした「クラッカー」たちは別として、ネット社会にもそれなりのルールがある。それは、人対人が直接関わる、現実の社会と何ら変わりがないことを、決して忘れるべきではないだろう。
私がパソコンを使い始めた切っ掛けは20年以上前、3DCGに取りつかれたためだが、マウスもなくモデラーもなく、テキストデータにプリミティブと演算式、反射係数と透過率、理化年表を片手に数値と格闘していた。
そんな時たまたま受けたデザインセミナーで、「やがて、パソコンの進化と、誰でも使えるツールの登場で、低質のものが世の中に氾濫するようになる」。その時の講師が言った言葉は、すでに現実のものとなっているようである。
私は、氾濫することも然る事ながら、人の質の低下で、それがまかり通ってしまう社会に変わっていくことが、一番怖いことのように感じている。