紫華鬘(むらさきけまん) 撮影日:2008年4月13日 撮影:管理人紫華鬘(むらさきけまん) 撮影日:2008年4月13日 撮影:管理人4月も終わりに近づき、世間ではゴールデンウィークとやらで何やら騒がしい。仕事上、連休などとは縁のない暮しだが、それでも晴れ渡った休日などには、カメラに片手に木々の間を歩きたくなる。だが、その序(ついで)もなく、加齢のためか定期的に襲う腰痛に、以前より出歩くことが少なくなった昨今である。
そんな私の状態を尻目に、春を迎えた山の麓の変化は早い。野草たちは夏に向けてその勢力を伸ばし始め、山桜、八重桜がそろそろピークとなるころである。
写真は紫華鬘(むらさきけまん)、4月中旬に山麓の公園で撮影したもの。以前この辺りでよく見かけた深山黄華鬘(みやまきけまん)は、知らぬ間に山の奥にその生息場所を移し、それと入れ代わるように、この紫華鬘(むらさきけまん)が増え始めた。本来は、もっと低地の林縁や道ばたなどに存在するものだが、これも温暖化の影響なのか、こんな山の麓にまでその勢力を伸ばし始めたようである。
例年より寒さが厳しいと感じた今季の冬。そんな中での、彼ら“自然に生きる者たち”の振る舞いは、我々人間には分からない何かを、その変化と共に、敏感に、確実に感じ取っているのは確かなように思える。気温の変化を含めて、体感からそれらを感じ取れない我々人間に、環境変化への有効な対策を見つけられるのか。
迫りくる気候変動を前に、経済優先とばかりに、山は崩され、木々は切り倒され、身近な街も、道路も、コンクリートやアスファルトで固められたままに未だ増殖を続けている。先んじてその変化を、その危険性を教えてくれる“自然に生きる者たち”が、人々の周りから減りつつある現状に、その答えは明らかと思える。
ハッキリした現象が見えてからでは、やはり遅すぎるだろう。もっとも、これは環境問題に限ったことではないのだが。