関東から東北、そして北海道までを、真っ二つに分けるかのように進んだ台風9号。まるで脇腹から入り、脳天から抜けていった感じだが、その大きさに比例するように各地でかなりの爪痕を残していったようである。幸いこの地域は、さほど大きな災害には至らなかったようだが、実り始めた稲や、収穫を間近にした果樹などに被害が出たのではないのかと、やや心配になる。
画像は“釣船草(つりふねそう)”。以前、今日の一枚にも載せたことのある野草だが、その形状から結構興味を惹いたものの一つでもある。環境の変化からか、最初見つけた場所では、かなりその数を減らしてきていたが、崖下の川沿いに、黄釣船(きつりふね)共々その生息区域を移していたようである。ただ、そこまで下りられる道もないため、簡単には近づけそうもないことが唯一残念なことである。釣船草(つりふねそう)、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草。別名、紫釣船(むらさきつりふね)。
まだまだ自然が残るこの地域、台風を始め、続く異常気象による災害からも、なんとか守られているように感じられる。しかし、果たして、この先いつまでその自然の砦が通用するのだろうか。この山の麓の公園にも見られるように、訪れる側と向かえる側、人々の行動により変わりつつある環境が、かなり気がかりな昨今、今年も一体どんな秋が廻ってくるのか、期待と不安の入り混じった気持ちでその訪れを待つことになりそうである。