出店、焼物のカトちゃんず 撮影日:2007年8月4日 撮影:管理人はや、立秋を過ぎた。8月になり、ようやく甲信越地方の梅雨も明けたようだが、昨年より2日、平年比では12日遅いということだ。遅れ馳せの夏の真っ盛りというところだろうが、連日の30℃を越える暑さには、さすがにへばり気味となる。
そんな暑いこの時期、各地で夏祭りが行なわれるようになる。飯田地方は昔から祭りの多い地域である。週末ともなると、必ずと言っても良いほどに、打ち上げ花火の音がどこからか聞こえてくる。元々、飯田城下を中心に小さな集落が集まっていた所、各地に点在する神社の個々の祭りが今も残っているということなのだろう。
そんな8月の第一土曜日には、“飯田りんごん”がある。以前、10月に行なわれていた、各地区の神輿が市街を練り歩いた“飯田祭り”が、近郊の地域も含めた住民達が踊り歩く、今の“飯田りんごん”と形を変えた。当初、賛否両論飛び交ったこの祭りも、来年30周年を向かえると聞き、時の流れの早さに少々驚く。
写真は、夕方から始まる“りんごん本番”の少し前。駅前から続く中央通りの様子である。すでに獅子舞や出し物で、かなり賑わっていた。2枚目は、同時に行なわれる“飯田人形劇フェスタ”の会場内で見つけた、知人である陶芸家の出店。20年の間、毎年続けて来たらしい。
「丘の上」と言われているこの市街地、空洞化によってシャッターが下りた商店が目立つようになってきた。日中、車はそれなりに走ってはいるが、街中を歩く人は少なく、なんとも心寂しい雰囲気さえ感じる時もある。再開発と称し、こんな地方都市には似合わぬビルの建設が行われ、すでに真新しい建物がお目見えしてはいるのだが、それが却って従来の街の活気に水をさす結果となっている様に思える。
この祭り、そんな市街地にとって久々の賑わいとなるが、本来の活気を取り戻さぬまま、何のための祭りかと思ってしまうのは、捻くれ者の私の悪い癖なのだろう。
夕闇の迫る帰り際、この先、この街が、この地域が一体どこへ向かうのか、そんな不安混じりの思いをよそに、スピーカーから流れる「各地区そろそろスタートしてください」の軽やかな声と共に、踊りのための太鼓演奏の音が響き渡った。