5月もいよいよ終盤。日によっての寒暖の差が激しく、やや不安定な気温に感じる昨今である。
今回掲載の写真は“稚児百合(ちごゆり)”。先日載せた、谷桔梗(たにぎきょう)と同じ5月13日の撮影となる。どこぞで聞いたことのあるその名、花が稚児(ちご)のように小さいことから付いたようである。梅雨前の4月~5月頃、小さな白い花を付けるようだが、そもそも咲く時期が短いのか、私の撮影した時期が遅かったのか、一週間後には花は終わっていた。
稚児百合(ちごゆり)、ユリ科チゴユリ属の多年草となる。
6月を前に、すでに入梅している沖縄・奄美を除き、日本列島はこれから梅雨を迎えることとなるが、昨年の飯田地方など、甲信越の入梅は6月の15日頃と記憶している。その前半、梅雨らしい雨は少なく水不足が怪訝されたが、梅雨も終盤に差し掛かる7月の中旬頃から、記録的な豪雨にみまわれ大きな被害を齎した。四季と共に、この国の季節の一つとして続いてきた梅雨だが、温暖化のため、その様相は一変しているようだ。果たして、今年はどんな梅雨が来るのか、こうして日陰の斜面に咲く野草の花と共に、期待と不安の入り混じった気持ちで待つことになりそうだが、5月も下旬、そろそろこの盆地にも、そんな梅雨の気配が漂ってくる頃である。