偶にはお気楽コーヒーブレイク♪
先日のこと、手打ちそば屋をしている知人から電話が入った。「鳥貝(とりがい)の良いのが手に入ったので、良ければ少しお分けしましょうか」と。
山猿ゆえ、あまり海産物に詳しくない私は、「おいしい食べ方も教えたい」との言葉に、そそくさと出向くことにした。
行ってみると、外で奥方が殻から中身を取り出している。海辺育ちの彼女、それでも殻付きを見るのは初めてという。殻のまま見られること自体珍しいと聞き、早速カメラに収める。
電話の主は厨房内で作業していた。そこには、綺麗に捌かれた鳥貝(とりがい)がザルの中に並んでいる。彼は、それを手に取り、「貝は生きていなければ駄目なんですよ」と言いながら、まな板に勢いよく叩きつけた。すると貝は、まるで痛さに耐え兼ねるかのように縮みながら動いた。その動きで、活きの良し悪しを見分けるようである。さすがプロと感心する。
教えられた食べ方は、「活きが良ければ生でも良し。さっと湯通してしゃぶしゃぶのように食べても良し」ということだ。そこまで聞き、適当な数だけ容器に入れてもらって家に持ち帰った。我が家は、その“しゃぶしゃぶ”でいただくことにする。
正直なところ鳥貝(とりがい)というと、今まであまり美味いものという印象はなかった。売られているものはすでにボイルしてあり、身は固く、匂いも味も、やや生臭いような記憶がある。しかし、こうして生きているものは別物のようである。その甘味と美味さは、貝類も、立派な“自然の恵み”ということを強く感じさせてくれた。
鳥貝(とりがい)、マルスダレガイ目ザルガイ科の二枚貝。殻の長さ及び、殻の高さは、共に8cm程度。水質汚染に弱く、内湾の水質劣化で国産品は激減しているとのことである。
山間に住む私。“山の環境は海に反映する”と、そんな責任を感じながらも、一時の幸福感に、まずは合掌。新鮮な海の味覚を味合わせてくれた、知人夫妻に感謝をしながら、その味に舌鼓を打った。
なお、3枚目の画像がボケているのは、食べるのに夢中でつい撮り忘れ、途中で気付いて慌てて撮ったためだが、たぶん、鳥貝(とりがい)の美味さが優ったのだろうと、訳の分からぬ言い訳である。