棚田土手の野蒜野蒜の花今日から6月、衣替えである。
宮中の行事として始まったと聞くこの風習、中国に倣い旧暦の4月1日と10月1日に行われていたようである。
当時「更衣」と呼ばれ、宮中の年中行事のひとつとされていたといわれるが、四季のはっきりとした我が国の風土にぴったりと合っていたため、衣替えとして民間にも広まったということだ。
明治以降に、今で言う国家公務員の、制服の夏服と冬服を替える日を定めたことから、現在の6月1日と10月1日が衣替えの日として定着したようである。
写真は田植えの始まった棚田と、その土手で見つけた野蒜(のびる)の花である。昔から目にしてきたこうしたものは、今の季節と、その先やってくる梅雨と夏を肌で感じることのできる風景だが、変わる気候と現代社会の中で、決まりごととして定着している衣替えと違い、その景観と共にかなり危うい存在になりつつある。