四手沙参(しでしゃじん) 撮影日:2006年9月9日 撮影:管理人四手沙参(しでしゃじん) 撮影日:2006年8月6日 撮影:管理人四手沙参(しでしゃじん) 撮影日:2006年8月6日 撮影:管理人その響きから、なんとも洋風な名前に思えるが、立派な漢字名である。そもそも“四手(しで)”とは、神社などの御幣(ごへい)、地域によっては幣束(へいそく)ともいうが、その垂れている白い紙のこと。相撲の横綱が、土俵入りの時に絞めている“綱”の前についているものといえば分かりやすいだろう。
花の感じがその“四手(しで)”に似ているということで付いた名ということである。後ろにつく沙参(しゃじん)は、釣鐘人参(つりがねにんじん)と同じ仲間を意味するようだが、その花の風体は全く違う。キキョウ科シデシャジン属の多年草となる。
7月から9月まで咲く、いわゆる夏の野草となるが、これもまた今年初めて見つけたものの一つである。
一雨ごとに秋の気温に近づきつつあるこの時期、山の麓に咲くこうした夏の野草もそろそろ最後の花を終え、迫り来る秋と厳しい冬の準備に入る頃となる。
その神事のための“四手(しで)”の名を持つ野草に、来年もまた変わりない季節が廻るのを祈願しながら、山の麓に訪れる秋を待つ。