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味噌を仕込む
手前味噌の寒仕込み・主催「食塾」 その参加レポート
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“食塾”主催による「“食の原点”手前味噌の寒仕込み」が2月5日(土)伊賀良公民館(フォー
ラムイガラ)で行われた。以前「スローフードにこだわる」の「野菜作りと古代米」の取材に協力
いただいた、「農園さくら」さんからの誘いを受け、味噌仕込みに初挑戦することとなった。
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◆ “フォーラムイガラ”へ・・・
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友人と二人、会場に9時少し前に到着。調理室の隅には大ザルに入っ
た大量の大豆が置かれている。多分、前日洗って一晩水に浸されたもの
なのだろう。雪が残る戸外では、すでに大きな窯に火が焚かれ、豆を煮
る準備が始まっていた。
仕込み開始を前に、代表の方からスケジュールの確認と、参加者の簡
単な自己紹介があった。参加した人数は“食塾”の会員11名と、一般
は5名。その中には東京からの参加者もいた。
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大きな釜で味噌用の豆を煮る
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◆ 仕込み開始・・・
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戸外に設置された窯から勢いよく湯気が上がり、そこに大豆と水を投
入、いよいよ仕込みが始まった。味噌用の大豆は軟らかめに煮上げる必
要があり、2時間はかかるという。調理室では米麹(こめこうじ)と塩
を混ぜ込む“塩切り”という作業が始まった。予め“塩切り”をしてお
くと、仕込んだ味噌に塩分のムラがなくなる。これもおいしい味噌を作
るために欠かせない経験知。その塩切りを終え準備完了となる。あとは
大豆が煮上がるのを待つだけだ。
この待ち時間を利用して昼食作りが始まった。食材は白菜、玉ネギ、
大根、ジャガイモ。さらに色鮮やかなカイエンペッパーやハバネロまで
並んでいる。
会員の方々を先頭に手際よく準備を進め、次々と料理がテーブルに並
んでいく。主菜は“幻の緑米”を使ったおこわと地元特産の“辛味(か
らみ)大根”をのせた信州田舎蕎麦。大豆のかき揚げや大根のサラダ、
ビタミン菜のお浸しもある。“食”へのこだわりと細やかな心配りがな
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された見事なラインナップだった。
さらに東京から二人の参加者が到着。揃ったところで昼食をいただいたのだが、野菜を主体とし
た料理で心身ともに満腹感に満たされた。感謝。
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◆ 大詰めへ・・・
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昼食とその片付けが終わり、大豆と麹を混ぜ込む作業の開始。仕込み
のクライマックスになる。三つの台が準備され、それぞれに計量された
麹がスタンバイ。
煮上がった大豆は次々とミンチにかけられ、その作業台に運ばれる。
電動の機械が豆を潰していく。私が子供の頃この機械は手回し。かなり
の重労働で、次々交代しながら廻していた記憶があるが、今はその苦労
はなさそうだ。
作業台に運ばれた大豆は50℃位まで温度を下げる。あまり高温だと
麹が死んでしまうらしい。そして大詰めの大豆と麹を混ぜ込む作業が始
まるが、これが意外に重労働。ここでいかに混ぜ込むかが味噌の出来映
えに大きく影響すると聞けば手を抜くことはできない。翌日の筋肉痛は
覚悟の上で必死の作業が続く。途中、加減を見ながら大豆の煮汁が加え
られる。大豆の栄養がたっぷり溶け込んだ煮汁、やはり使わない手はな
い。作業は30分ほど続いただろうか。三つの台の味噌は、少しづつ交
換して味を均一化する。それを1kgづつ丸めて計量し、用意された袋
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に詰めていく。一応これで作業は終了。
片付けもほぼ終わり、最後に一同勢ぞろい。代表の方から今回の仕込み内容の説明があり、持ち
帰った味噌の保存方法についての、各々の方のやり方が紹介された。そして互いの労をねぎらって
解散となった。
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〇今回の味噌仕込みの材料:
大豆(すべて食塾産)70s、米麹(有機減農薬米)70kg、塩(伯方の塩)32.6kg (塩分割合:23.3%)
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※「食塾」自信の塩分量
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◆ 参加してみて・・・
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最近はほとんど見かけなくなった味噌作りの風景。近くのスーパーなどで味噌はすぐ手に入れら
れる。一見豊かになったように感じるが、即醸のためか保存のためか、市販品は何種類もの添加物
が入っているのが現状。今回のような体験を通して、少しでも、先人たちが築き上げた日本独自の
食文化を、見直す目を持てれば嬉しい。できれば多くの人が体験し、感じて欲しいと思う。
今回の味噌仕込みでは、一般参加した私達にも安価で仕込んだ味噌を分けていただくことができ
た。使われた大豆は春から会員の方々が汗水ながし栽培。ホコリにまみれながら収穫・選別された
貴重な大豆。会員の方々に感謝しつつ、7キロの味噌を抱えて会場を後にした。
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■ 取材協力
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食塾
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■ 参加・取材
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Key
(監修:管理人)
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